DPF洗浄vs新品交換(ディーラー) 費用の差はどのくらい?【徹底解説】 DPF洗浄は新品交換に比べコストも安く、DPFの詰まりが頻繁に起こっている方は是非検討すべきです。洗浄で良くなるの?と不安の方に「DPFドットコム」でのCX-5のDPF分解洗浄を例に挙げ、わかりやすく説明します。DPFの警告灯が消えないなど、どこを直したら車の調子が戻るのかわからない方や、どこへ頼めばいいのか迷っている方などに参考になる記事にまとめています。 目次1 そもそもDPFって何?2 詰まりの原因「アッシュ」とは3 DPF洗浄方法(マツダ CX-5の場合)4 ①切断・分解5 ②通水検査6 ③自動洗浄7 ④薬液浸漬8 ⑤仕上洗浄9 ⑥仕上確認10 ⑦乾燥11 ⑧研磨12 ⑨溶接13 ⑩塗装14 ⑪梱包・ご返送15 DPF洗浄にかかる費用は?16 DPF洗浄ってDIYできるの?17 洗浄液につけて流すだけでは不十分?18 まとめ そもそもDPFって何? もしあなたがお仕事でトラックを運転されていれば聞きなれた単語でしょう。 DPFとは、Diesel particulate filter(ディーゼルパティキュレートフィルタ)の略で、トラック・バスの商用車をはじめ、マツダCX-5など普通乗用車のディーゼルエンジンには、排気ガス中に含まれるPM (スス)を除去するために、セラミックス製のDPFがマフラーに装着されています。それらはメーカーによっては呼称が違います。 普段ディーゼル車を乗られる方は、自動再生、強制再生、手動再生という言葉は聞きなれていると思いますが、このフィルターが目詰まりを起こす事で、燃費・トルクの低下等、DPFの警告灯を点ける原因となります。 DPFについて詳しくはこちら。DPFとは?DPF・DPR・DPDの違いを解説!>>> 詰まりの原因「アッシュ」とは 強制再生だけでは、燃焼しきれず、堆積するのが「アッシュ」です。エンジンオイルの「硝酸灰分」という物質が、燃焼室で燃焼することでアッシュが生成されます。DPF洗浄のサービスで良くあるのですが、洗浄液につけて洗い流すだけで終わらせるお店もあります。洗浄液に浸漬するだけでは、長年堆積して棒状の塊になったアッシュを落とすことは出来ません。一時的な対処でしかありません。フィルタ内部のスペースがアッシュで埋まっている状態は、燃焼できるスペースが無いということを意味しています。結果、少し時間が経てばDPFの警告灯ランプが点灯するでしょう。どのようにアッシュが溜まっていくのかを、1分程度の簡単な動画にしました。 アッシュについて詳しくはこちら。【写真】アッシュとは?結局ディーゼルマフラーに何が詰まり交換なのか>>> DPF洗浄方法(マツダ CX-5の場合) ①切断・分解 こちらがCX5のDPFです。右から左が排気ガスの流れになります。 まずは付属品のカバー類(遮熱板)から外していきます。 こちらのDPFは、センサーが取り外された状態で届いたものなのでカバーと差圧パイプを外して切断、分解していきます。 切断する箇所にラインを引いていきます。豊富な経験によって、どこへサンダーを入れたら触媒が傷つかないかを熟知しています。 刃の入れ具合も、経験から分かっています。慎重に丁寧に切断していきます。 センサーの箇所もうまく回避して切断していきます。酸化触媒の出口側がススで真っ黒になっています。 出口側も切断していきます。 左が出口側です。真ん中がDPF、右がDOC(酸化触媒)です。 ②通水検査 通水検査でフィルタ内部の溶損がないかを確認していきます。 溶損なのか、アッシュの詰まりなのかも見分けていきます。溶損してフィルタが修繕不可能な場合も多く、触媒買取の場合も、このような検査によって判断していきます。 真っ黒なススが出てきています。汚れがしっかり詰まっていることが確認できました。 茶系の色が出ていますが、こちらが「アッシュ」です。汚れが流れ落ちているようで、フィルタ内部には堆積したアッシュが残ります。 ③自動洗浄 中圧の自動洗浄で、フィルタの詰まり具合に応じて、傷つけないよう洗浄していきます。 ④薬液浸漬 弊社オリジナルの洗浄液に浸漬します。この洗浄液に浸漬することで、フィルタ内部のススやアッシュを分解し、除去しやすい状態にします。 詰まり具合によりますが、次工程の仕上げ洗浄でアッシュの詰まりがしっかり取り除けるよう薬剤に漬けておきます。 ⑤仕上洗浄 高圧洗浄機でフィルタ表面を傷つけないように丁寧に洗浄していきます。 高圧の仕上げ洗浄でも、傷つかないように水をあてる具合を微妙に調整しています。 高圧洗浄により出てきたアッシュです。このアッシュはエンジンオイルの燃えカスで、DPF再生では焼いて分解することが出来ず長く乗っている車のDPFほど多く詰まっている事があります。浸漬と洗浄を繰り返しススやアッシュを完全除去します。 ⑥仕上確認 通水で詰まりの洗い残しが無いか最終の仕上確認をしていきます。 ⑦乾燥 エアブローでフィルタ内の水分を飛ばし、ジェットヒーターで残った水分を飛ばしていきます。フィルタ内に水分が残っているとDPF再生時に高温の水蒸気が発生し、フィルタの劣化や溶損の原因になってしまう為、しっかり乾燥させてから組み上げ工程に入ります。 ⑧研磨 フランジ面を研磨し、表面のサビや歪みを無くします。サビや歪みがあるとフランジの接点に隙間が空いて、排気漏れにつながります。 切断して徹底的に洗浄できても、溶接をしっかり行わなければ、排気漏れなどにより差圧センサで異常値を計測したりと、DPFが上手く機能しなくなっては意味がありません。 各パーツの研磨が終わったら、次は溶接していきます。 ⑨溶接 無駄のない溶接で、触媒にダメージを与える事の無いよう慎重に溶接します。 工場の職人が細かな手技で溶接を行っていきます。弊社はDPリビルトマフラー製造で全国トップクラスの件数を誇ります。車体によって微妙に違う部分も把握しています。 溶接後の磨き処理、カバー、ボルトを、差圧パイプなどをつけて、元に戻していきます。インパクトと手締めでしっかり締め付けた後に、トルクレンチで1本1本締め付けの確認を行います。 これで溶接が完成です!これだけでは終わりません! ⑩塗装 耐熱塗料を吹き付けていきます。 ムラ無く塗料を吹き付け、赤外線ヒーターで焼き付けます。 しっかり長くお使いいただけるよう、錆止めの効果もある塗装を行います。 ⑪梱包・ご返送 丁寧に梱包してお客様のお手元にご返送いたします。CX5、アテンザの洗浄記録の記事はこちら【マツダ】Cx5のDPFを洗浄再生!フィルターの目詰まりを解消へ>>>【マツダ】アテンザのDPF洗浄再生!フィルタ詰まり解消します!>>> DPF洗浄にかかる費用は? 結論からいうと、ディーラーでのパーツ交換より圧倒的に「洗浄」がお得です。DPFドットコムのお問い合わせで、「ディーラーで見積を取ったら金額が想像以上だった」というご相談が多く寄せられます。ディーラー様で見積を取った場合、DPFだけでなく、その周りにあるエンジンとマフラーに関連するパーツを一式交換する内容になる場合もあり、前述のcx5の場合では15万円以上の見積額になった例もあります。一方「DPF洗浄のみ」で解決できる案件であれば、DPFドットコムの洗浄価格は、58,000円(税別)なので、その差は歴然です。 DPF洗浄ってDIYできるの? 洗浄のDIYはやめておきましょう。特殊な洗浄液を使うため、汚水処理なども必要になってきます。車に詳しい整備士の方でも、DPFついてはあまり詳しくないということも結構あります。色々なセンサーなどもついているため、DPF以外で不具合を出さないためにも信頼できる整備工場や専門業者へ問い合わせるのがベターです。自分でも手軽に対処できる商品として、「洗浄」と謳われているディーゼル車専用の添加剤が流通しています。DPF詰まりの軽減を目的であったり、少し調子が悪いと感じる程度であれば使用してみても良いかもしれません。詰まり具合を抑える効果はかなり期待できます。しかし添加剤でアッシュを取り除くことはできません。 洗浄液につけて流すだけでは不十分? 分解をせず、DPFまるまるを洗浄液につけただけで「洗浄」としている業者が多く存在しますので注意が必要です。酸化触媒(DOC)がDPFと一体式になっているものは、切断しなければアッシュを落としきることは不可能です。 一時的には改善したように感じられますが、時間が経過すると直ぐにランプ点灯が起きるでしょう。洗浄してからは、できるだけ長く乗りたいですよね。 まとめ DPFは、排気ガスに含まれるPM(スス)を除くフィルタのこと。洗浄の中でも、完全分解洗浄の効果は期待大。DPF洗浄は、交換に比べ圧倒的に安いのでおすすめ。アッシュの詰まりを抑えるには、専用の添加剤が効果的です。DPF洗浄のDIYはやめておこう。専門業者に頼むべし。洗浄液につけただけの業者に注意いかがだったでしょうか。DPFドットコムでは、お客様にご満足いただけるよう、他社に負けない確かな品質と価格でご提供しております。そのほかに、触媒の買取、DOC(酸化触媒)、SCR、インジェクターなど、トラックパーツ等でお困りの方は是非お気軽にお問い合わせください!