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【自動車整備士】海外で活躍するには?日本と海外の差を徹底解析!
目次
全世界で日本のモノ作り技術の評価は極めて高く、トヨタ、ソニー、任天堂といった企業の名前は誰もが知っていると思います。
世界の自動車販売数も日本の自動車メーカーが毎年上位にランクインし、自動車メーカーの活動拠点が世界中に存在しています。
世界中で日本の自動車が売られているということは、世界中に日本の自動車を整備している自動車整備士がいるということになります。
繊細で丁寧な仕事をする日本人の自動車整備士は海外の人からも注目されており、これから海外で働く日本人自動車整備士が増えてくるかもしれません。
なぜ日本人の自動車整備士が世界から注目されているの?
この記事では日本と海外の整備士の差についてお話していきます!
そもそも整備士ってなに?
自動車整備士とは、自動車整備士国家試験に合格し、その専門技術と知識を生かして自動車の点検や整備、修理などを行う仕事です。
車のトラブル時には故障箇所を見つけて機能を元通りに回復させます。
不具合がなくても定期的な検査を行うことで、車が安全に走れるようにメンテナンスも行います。
自動車整備士の仕事は大きく3つに分けられます。
点検整備
自動車は走行距離や経年で目に見えたトラブルはなくても、少しずつ部品などが劣化していきます。
そのため、定期的に自動車の点検を行って、消耗した部品の交換や不具合のチェックを行うことが義務付けられています。
これを「車検」と言います。事故を未然に防ぐには欠かせない整備です。
緊急整備
運転中に突然エンジンがかからなくなったり、事故で車体を破損してしまったりなど、急を要する事故や故障による整備・修理を行うことをいいます。
主にエンジンや電気系統などを点検して修理箇所を特定します。
部品の交換や分解などを行い、車が安全に走れるように修理します。
分解整備
分解整備はエンジンやミッションなど、自動車の中で特に重要で機械的な部品を分解し、故障した部分を見つけて整備します。
別名「オーバーホール」とも言われています。
高度な技術を要するため分解整備を行えるのは、国から認可を受けた「認証工場」や「指定工場」のみとなっています。
整備以外の仕事
自動車整備士は自動車の点検や修理をすることが主な仕事になります。
しかし、ただ修理するだけではなく、お客様に分かりやすく自動車の不具合箇所や状態を説明したり、今後トラブルを起こさないようにアドバイスしたりすることも大事な仕事です。
ではその整備士や環境について日本と海外の差を比べてみましょう!
日本と海外を比べてみた!
業界環境の違い
車検
日本は車を保持していると2年に1回車検を受けることが義務付けられています。
しかしアメリカではそんな決まりはなく、車検を受けなくても問題ありません。
それがどういうことかというと、車が故障するまで整備工場には来ないということです。
壊れたら初めて整備工場に持っていき修理を受けます。
従って修理単価は高くなり、粗利も産業平均に比べ低くはありません。
環境問題
アメリカでは公害防止・環境保護に対する意識が高い。
自分たちが環境を守ろうという意識を持っています。
工場の床はとても綺麗に保たれています。
州単位で条例が定められており、オイルを床にこぼすのは禁止されています。
オイルを床にこぼすと、蒸発したオイルが大気汚染に繋がるという理由らしいです。
床を汚すことなく綺麗に保てているのにはそんな条例があったのですね!
ちなみに、車のガソリン注入口も径が小さくてノズルがぴったりと収まるようになっています。
さらに内側には自動弁(内蓋)がついていて、ガソリン注入時の蒸発→大気汚染を防止するような仕組みになっています。
文化
日本車の多くは車に名前を付けるのが慣例となっており、シルビアやクラウンなど車種毎にこうした愛称が付けられています。
これは車に愛着を持ってもらいやすいという傾向があるからです。
反対に欧米各国の自動車メーカーはモデル番号を付けるだけで、あくまで機械としての記号しか付けることはありません。
外国では自動車はあくまで機械であり、それ以上でもそれ以下でもないと考える人が多いのです。
日本人は車を相棒や友人として使い、愛着を持って接する事が多いので非常に物を大切にする文化を持っていると言えます。
賃金
国内の自動車整備士の平均年収は他業種に比べて100万円程低くなっていますが、昨今の自動車整備士不足を受けて平均年収は徐々に上がってきています。
一方、海外の自動車整備士の年収は個人契約をしている人も多いため、実力によって年収に大きな差が出てしまいます。
どちらがいいとは一概に言えませんが、安定を求めるなら国内、リスクを承知で一攫千金を夢見るなら海外というような感じになります。
日本人整備士の特徴
日本人気質
日本人は物に愛着を持って大切に接すると話しましたが、それが直接整備士のレベルを上げていると言えます。
愛着を持っている顧客の自動車を整備士は大切に扱うというのは当然の事と考えており、丁寧に整備をしています。
大切な車を単に動くようにするだけではなく、将来的な不具合に備えてメンテナンスをしっかりする事は常識となっていますが、実はこういう考え方をするのは日本人特有の日本人気質とも言えます。
整理・整頓・清潔・清掃
日本人は学校で掃除の時間があるのが当たり前になっていますが、外国の学校では清掃員を雇って学校の清掃をしています。
日本ではどの業種の会社に入社しても、まず始めに教わるのは整理・整頓・清潔・清掃についてです。
もちろん自動車整備士にとっても整理・整頓・清潔・清掃はとても大事なことで、部品が乱雑になっていれば部品を探すのに時間がかかってしまいます。
工具の手入れを怠れば工具本来の力が発揮できなくなってしまい、作業効率も悪くなってしまいます。
学生時代から整理・整頓・清潔・清掃が身に付いている日本人は作業を効率よく行うことができ、作業に集中できるために丁寧な仕事をすることができるのです。
お客様に対する考え方
ファストフード店で異物混入があった場合、日本ではお客様はクレームを入れるし、お店側もクレームに対して真摯に対応をして商品の交換や返金等の対応を行います。
外国では安くて、頼んだ物がすぐに出てくるファストフード店で、異物が入るのは当たり前のことという認識がお客様・店員の双方にあるために、クレームを入れるお客様も少ないし、クレームを入れても店員に素っ気ない対応をされてしまいます。
日本では金額が安くてもお客様をもてなす文化がありますが、チップのある国等ではお客様の代わりに料理を運んだり、物を作ったりしているのだから、チップをよこせという文化になっています。
この考え方の差に、海外からきた旅行客は日本のお店の対応は素晴らしいと感じるのです。
仕事に対する考え方
日本と同様に自動車大国であるアメリカのカーディーラーや自動車整備工場では、フロントマンが新車や中古車の販売から自動車の修理の依頼までをこなしています。
そのため個別に利益を得て収入にするシステムを用いている所が数多く存在しています。
自動車整備士はフロントマンに個別に雇われており、解雇されない・賃金を上げたい等の理由によりお客様の車を綺麗にしてフロントマンにアピールをします。
アメリカの自動車整備士は、自動車の整備よりも自動車を綺麗にすることを優先してしまうために、自動車は走れば問題ないという感覚が身に付いてしまっています。
依頼された自動車の修理を行われずに、自動車が綺麗になって返ってくることが多々あるそうです。
これが日本だったらどうでしょうか?
あり得ない話ですよね。
日本の自動車整備士は、お客様の依頼をこなすことを第一として仕事をします。
もちろん納車の時には洗車をしてお客様にお渡しします。
更に、その後の調子うかがいまで行います。
フロントマンに良く思われる為に自動車を綺麗にするのと、お客様の安全の為に自動車をご用命どおりに整備するのでは、どちらがお客様の信頼を得ることができるのでしょうか?
日本の整備士は世界からもとても高い評価をいただいていますね!
では、日本人整備士が海外で活躍するにはどうすればいいのでしょうか?
自動車整備士として海外で働くには?
海外展開している日本法人
可能性が高いのは日本の貿易会社、自動車関連企業が、海外に展開している日本法人(新車・中古車販売店など)に転職する方法です。
日本で求人を見つけることができれば、就職活動も普通の転職と同じように行うことができます。
日本で面接を受け、その後、海外で勤務という流れになるでしょう。
多くの場合、仕事内容を事前に教えてもらえますし、現地での住居探しなどもサポートしてもらえるはずです。
青年海外協力隊に参加する
青年海外協力隊という言葉をご存じでしょうか?
正式にはJICAという公的機関が主催する、発展途上国への派遣事業です。
日本より技術の面で劣る発展途上国に、技師として派遣され、現地の人に仕事や技術を教えるという役割を担います。
現地生活等は政府によって負担され、語学研修もあることがほとんどです。
語学力に不安のある方や、生活費の不安がある方でも安心です。
派遣期間や派遣先は都度募集がありますので、JICAのホームページ等をチェックしてみてください。
ワーキングホリデーを活用
海外で活躍したいなら、ワーキングホリデーを利用する方法も視野に入れてみましょう。
たとえばオーストラリアでは日本車が多く走っていますが、自動車整備士の数は十分に足りていません。
実際に整備士が不足しているため、オーストラリアでは永住権取得のための職業リストに入っているほどです。
日本人が経営する自動車整備工場もあり、働くチャンスが十分にあると言えます。
ただし、英語力は必須、日本の運転免許証は州により規定が異なるので、オーストラリアの免許か国際運転免許証(国外運転免許証)があったほうが有利です。
また、オーストラリアの永住権取得を目指して、現地の専門学校に通いながら自動車整備士資格を取得する人もいます。