ヘッドガスケットとは一体何者なのか、知らない方も多いと思います。ヘッドガスケットとはエンジンの重要な部品であり、シリンダーヘッドとシリンダーブロックの間に取り付けられている部品です。エンジンにとっては欠かせない部品の1つです。この記事はヘッドガスケットについての理解を深めていただくための内容となっています。
目次
- 1 ヘッドガスケットとは
- 2 ヘッドガスケットの役割
- 3 ヘッドガスケットはどこにある?
- 4 ヘッドガスケットはなにでできている?
- 5 ガスケット抜け
- 6 ガスケット抜けの症状
- 7 出力低下(パワー低下)
- 8 水温の異常な上昇
- 9 エンジンオイルが白濁する
- 10 冷却水に排気ガスが交じる
- 11 白煙が出る
- 12 ガスケット抜けの原因
- 13 オーバーヒートを原因とする場合
- 14 経年劣化による場合
- 15 負荷のかかる使い方をした場合
- 16 ヘッドガスケットの寿命を伸ばすには?
- 17 冷却システムのメンテナンス
- 18 エンジンの適切な冷却
- 19 エンジンオイルの定期交換
- 20 適切な締め付けトルク
- 21 エンジンのメンテナンス
- 22 エンジンの適切な使用と運転
- 23 燃料添加剤でメンテナンス
- 24 ヘッドガスケットの交換にかかる費用
- 25 まとめ
ヘッドガスケットとは
ヘッドガスケットの役割
ヘッドガスケットは液密及び気密の保持の役割を持つ部品です。
部品には、人間の目では確認することができない歪みがあります。そこにガスケットを挟み込み、歪みによる隙間をなくしています。挟み込んで密封するので、ガスケットは相手方の部品よりも柔らかく作られています。
ヘッドガスケットはどこにある?
ガスケットは自動車の部品において、液密が気密の必要なものに使われています。
つまりエンジン内部や吸排気系で使われているということです。
・エンジン内部
燃焼室で混合気を圧縮するエンジンは当然、ガスケットを必要とする部品です。シリンダーヘッドとシリンダーブロックの間に挟み込まれているガスケットはエンジンガスケットと呼ばれ、その名を耳にしたことのある方もいることでしょう。
・吸排気系
エキゾーストマニホールドやインテークマニホールドをエンジンへ取り付ける際、ガスケットをかまします。ガスケットはターボチャージャーにも使用されています。
ヘッドガスケットはなにでできている?
ヘッドガスケットはシリンダーヘッドとシリンダーブロックの間でシリンダーの圧縮を確保し、冷却水やエンジンオイルの循環を適切に管理します。そのため、高温と高圧の状態に耐えられるよう耐熱性と耐圧性が求められます。
金属と非金属の複合材料で作られることが一般的です。一般的な材料としては、金属のスチールやアルミニウム、非金属のアスベスト、グラファイト、フィバーガラスなどがあります。
ガスケット抜け
ガスケット抜けとはエンジンのヘッドガスケットが破損した状態を指します。ガスケットは高温で過酷な環境化にあるため、使用するにつれて劣化が進みます。
ガスケット抜けが発生してもすぐにエンジンが壊れるわけではありませんが、放置することはもちろん推奨されません。できるだけ早めに修理することをおすすめします。
ガスケット抜けの症状
出力低下(パワー低下)
ガスケット抜けの症状の1つにエンジンの出力低下があります。燃焼室で本来の性能を発揮するのに必要な圧縮を作ることができなかったり、圧縮空気がガスケット抜けにより外へ逃げ出したりするというものです。
しかし実際のところ、パワーダウンを正確に感じられるかどうかは難しいところがあります。それは、エンジンの出力が最大限に発揮されているものを経験していなければ、基準がわからないからです。それを踏まえると、中古車選びでは注意するべき要素の1つとも言えるでしょう。
水温の異常な上昇
ガスケット抜け時に水温の異常上昇が発生することもあります。この場合、冷却水がエンジンの燃焼熱に触れ、水温が急激に上昇するという流れです。
ただし、水温トラブルが発生する原因は他にもあるので、一概にガスケット抜けと決めることはできないでしょう。
エンジンオイルが白濁する
エンジンオイルと冷却水が混じってオイルが白濁する現象も、ガスケット抜けに見られるものです。この現象は乳化現象と呼ばれています。オイルラインを塞ぐ原因にもなりかねません。
冷却水に排気ガスが交じる
排気ガスが冷却水へ混じり、そのままラジエーターへ流れることもあります。この時、ラジエーターキャップを開けた状態でエンジンを回すと、泡状になった排気ガスが出てくるのを確認できます。
白煙が出る
マフラーから白煙が出るのもヘッドガスケット抜けの症状です。
ガスケット抜けにより冷却水がシリンダー内に入るとそのまま燃焼され、水蒸気となり白煙が出ます。
シリンダー内にたっぷりと冷却水が入っていることもありますが、ウォーターハンマーになる可能性もあります。
ウォーターハンマーとは、非圧縮の水がシリンダー内に入り込み、ピストンが圧縮上死点まで上がりきらずコンロッドやクランクが損傷することです。
エンジンに深刻なダメージを与えます。
ガスケット抜けの原因
オーバーヒートを原因とする場合
オーバーヒートはガスケット抜けを誘発する要因の1つとされています。エンジンがオーバーヒートによって高温になることで歪みが生じ、それがガスケットへの想定を超える負荷や、ガスケットの隙間から高圧の燃焼圧力の抜け出しを引き起こします。
経年劣化による場合
ガスケット抜けが経年劣化を理由に発生することもあります。ガスケットは、吸気、圧縮、燃焼、排気とエンジンの燃焼行程全てにさらされる厳しい環境にあります。またシリンダー内に堆積したカーボンが異常圧縮の原因にもなります。走行距離が伸びる(エンジンを使う)とガスケットの劣化が進む可能性もあります。
負荷のかかる使い方をした場合
エンジンに負荷のかかる使い方・走り方をすれば、経年劣化がより早く進みます。高回転で長時間の走行を続け、ブーストアップされたターボチャージャーによる強すぎる過給圧がエンジンに発生すると、エンジンやガスケットへの負担は増えます。ガスケットの耐久性を超えるパワーが増え、耐えることができなくなります。
ヘッドガスケットの寿命を伸ばすには?
ヘッドガスケットの修理は重要で複雑な作業ですので、適切な手順と専門知識を持つ技術者に依頼することが重要です。また、定期的なメンテナンスや適切な冷却システムの管理もガスケットの寿命を延ばすために重要です。以下にヘッドガスケットの寿命延長のためのいくつかのポイントをまとめます。
冷却システムのメンテナンス
冷却液の定期的な交換と冷却システムの点検は、ヘッドガスケットの寿命を延ばすために重要です。冷却液は定期的に交換し、冷却システムの漏れや異常をチェックして修理する必要があります。
エンジンの適切な冷却
高温での過度の運転はヘッドガスケットに負担をかけることがあります。エンジンが適切に冷却されていることを確認し、過熱を防止するために冷却システムの動作を監視してください。
エンジンオイルの定期交換
エンジンオイルはエンジン内部の潤滑や冷却に重要な役割を果たしています。定期的なオイル交換を行い、エンジン内部の状態を保ちましょう。
適切な締め付けトルク
ヘッドガスケットの取り付けには正確な締め付けトルクが必要です。ガスケット交換時には、メーカーの指示に従い、正確なトルクを適用してください。過度なトルクや不均等な締め付けはガスケットに負担をかける可能性があります。
エンジンのメンテナンス
エンジンの定期的な点検とメンテナンスは、ヘッドガスケットの寿命を延ばすのに役立ちます。エンジンのシリンダーコンプレッションや圧力、バルブトレインの状態を定期的に確認し、必要に応じて修理や調整を行ってください。
エンジンの適切な使用と運転
過度な負荷や過酷な運転条件はガスケットに大きなストレスを与えることがあります。エンジンの適切な使用と運転を心掛け、高速道路での長時間の高負荷運転や過剰な加速を避けることが重要です。また、エンジンが適切に温まるまでアイドリングさせるなど、冷間運転時のエンジンへの負荷を軽減することも大切です。
燃料添加剤でメンテナンス
おすすめの燃料添加剤がこちら!
1度見たら忘れられない印象的なパッケージ!
独自配合で生み出された強力な成分が特徴の煤殺し!
赤、青、極(きわみ)の3タイプで展開されています!
詳しくはこちらをチェック→https://susugoroshi.com/
煤殺し解説はこちら→https://dpf-dpd.com/wisdom-bag/post-11816
ヘッドガスケットの寿命延長と故障予防のためには、定期的なメンテナンス、適切な運転、品質の高いガスケットの選択、早急な修理や交換などの対策を行うことが重要です。適切なケアとメンテナンスにより、ヘッドガスケットの寿命を延ばし、エンジンの正常な動作を確保することができます。
ヘッドガスケットの交換にかかる費用
エンジンヘッドガスケット交換にかかる費用は、部品代が3,000円〜30,000円、工賃が4万円〜10万円が相場となっています。部品代に対して工賃が圧倒的に高いです。
エンジンのヘッドガスケットを交換するにはシリンダーヘッドをシリンダーブロックから取り外す必要があり、作業工程が多く手間がかかるのが、工賃が高い理由となっています。
また、ガスケットの取り付け面(つまりシリンダーブロックやシリンダーヘッドのこと)に凹凸がある場合には平坦になるよう削る作業も必要となることもその理由です。
修理するエンジンの種類も価格に影響します。例えば、OHVエンジンとDOHCエンジンを比べた時、OHVエンジンはカムシャフトが存在しない分だけガスケット交換の手間(費用)がかかりません。
それに対し、カムシャフトが使われているエンジンはタイミングベルト(あるいはタイミングチェーン)等を調整する必要があるため、修理費用が自然とより高くなります。
V型エンジンのようにシリンダーヘッドが2つあるものは手間も費用も単純計算すると倍になりますし、水平対向エンジンは車体へ乗せながら作業するのが難しいため降ろさなければならないなど、車両(エンジン)ごとに事情が異なる点は覚えておきましょう。
まとめ
ヘッドガスケットはエンジンの重要な部品であり、シリンダーヘッドとシリンダーブロックの間に取り付けられます。ヘッドガスケットの材料は鉄、アルミニウム、複合材料などがあり、エンジンの仕様や使用条件によって選ばれます。
ヘッドガスケットは高温と高圧の環境で使用されるため、時間の経過とともに劣化する可能性があります。定期的なメンテナンスと点検が重要であり、冷却システムのメンテナンスや適切なエンジンの使用によって寿命を延ばすことができます。
ヘッドガスケットの故障の兆候には冷却液の漏れ、クーラントとエンジンオイルの混合、白煙や異音の発生、エンジンの異常な温度上昇やパフォーマンスの低下などがあります。これらの兆候が現れた場合は、専門家の診断と修理が必要です。
ヘッドガスケットの状態を確認し、早期の修理や交換を行うことはエンジンの正常な動作と信頼性の維持に重要です。メーカーの指示や専門家のアドバイスを遵守し、適切なメンテナンスとケアを行いましょう。