【故障頻発】最近のDPF・SCRの闇 ディーゼル車ってどうなの!? 複雑化していくDPF-SCRシステムについて 近年の排ガス規制の厳格化に伴い、ディーゼル車を運行させる上でその規制は厳しさを増しています。 今現在、排ガス処理装置はどの様なものがトラックに搭載されているのか。高度化する排ガス処理装置事情について、小型車を例に見ていきます。 上記写真は最新型 日野デュトロのDPR-SCRシステムです。(日野さんのDPR―Ⅱってやつですね)平成28年度排気ガス規制において、NOx排出量規制値は前回規制値から43%近くもの低減を求められNOx低減装置がより重厚になったのがわかります。(HC-SCRシステム) 5年前のDPRシステムが、この様に酸化触媒で温度を上げ、DPFでススを焼いてSCRへ送るというだけのシステムだったものが…。 現在のシステムは酸化触媒(DOC)だけでもATC⇒F-DOC⇒R-DOCの三段構造になっており、そこに送る過程の中にそれぞれインジェクターがあり、都度点火して送り込むという構造になっています。 エンジン排気直下にATCを搭載することでF-DOCを一気に昇温したり、DPR前後に燃料(軽油)噴射装置を2カ所追加することで理想的なDPR再生と、尿素水を必要としないNOx低減システムを実現しています。 短い間にこんなに複雑なシステムになってしまいました!!ふそうもアドブルーはそのままに、後段DOCを追加しています。 いすゞはエンジン近接DPDを採用しPMの除去効率を上げるとともに、少し離れた後方に十分なサイズの尿素SCRを設置するなど、 このように、SCRの採用形態(尿素の有無)酸化触媒の大容量化(長尺化、多段化)燃料供給の多段化DPFのエンジン近接化 など、各社の工夫が行われています。しかし、これらの工夫も、★部品の位置を変える★部品を増設・大容量化させるといった強まるディーゼル車規制への対策であり、部品点数を追加せざるを得なくなり、結果的に車両構造がますます複雑化が進んでいったということになってしまいました。 最近では整備カ所の増加が故障リスクの増加につながってしまい、部分的な故障でしかない場合でも、構造が複雑なため整備が容易ではなく、他の部品に不良個所が出てきてしまったということも良くあります。 このように、環境性能を厳しく追及される昨今、車両のオーナーにとっては、コスト増となってしまい、車を壊さず、修理できるとこは安く修理し、運行するようしなければなりません。 “恋人よりも熱く、ガソリン車よりも細やかな愛情を。” これからのディーゼル車はそれぐらいの熱い情熱をもって乗っていく必要があるのかもしれません…。 DPFドットコムはDPFだけでなく、ディーゼル車の部品に関しまして、トラック業界の皆様に少しでもお役に立てるよう、ご協力致します! 商品へのご注文、お問い合わせはコチラ