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トラックキャビンとは?特徴や種類、キャビンごとのメリット・デメリットを解説!
目次
トラックのキャビンは、トラック運転手の居心地に大きく左右される重要なパーツの1つです。
キャビンには様々な種類があり、キャビンの種類によってメリットとデメリットがあります。
トラックを購入する前には「キャビンの種類」と「種類ごとのメリット・デメリット」「キャビンの修理費用」を把握することも重要です。
そこで、この記事では「キャビンの特徴」や種類ごとのメリット・デメリット、修理費用を、元自動車整備士である私の経験を元に徹底解説します。
キャビンの特徴を知りたい方は、是非参考にしてみてください。
トラックのキャビンとは?
トラックのキャビンとは、運転手が乗車する運転席の四角い部分を指します。
キャビンには「小屋」という意味もあり、その意味が派生して広く使用されるようになりました。
他にもキャビンは「車両事故」や「物損事故」などの損害事故から、運転手の命を守る重要な役割も担います。
キャビンはトラック運転手の寝る場所として活用されている
トラックは「キャビン」と「荷台」の2つの構造に分かれています。
トラック運転手にとって、キャビンは食事や休憩、睡眠などを行う重要なスペースとして大きな役割を担っています。
長距離運転を行う仕事の場合、車の中をいかに快適な空間に作り上げられるのかもポイントです。
特にハイルーフキャビンの場合には、ハイルーフ部分の広いスペースに加えて、空調や電灯、コンセント、窓やカーテンが取り付けされているトラックが多い傾向があります。
そのため「キャビン選び」はトラック購入時に、最も重要なポイントとも言えるでしょう。
キャビンの5つの種類
キャビンには具体的に5つの種類があります。
・ショートキャブ
・ハイルーフキャブ
・フルキャブ
・ワイドキャブ
・ダブルキャブ
キャビンごとの特徴を理解しつつ、それぞれの種類ごとのメリットとデメリットを解説します。
ショートキャブ
ショートキャブはトラックのキャビンの中でも「標準キャブ」の1つであり、最も多くの種類が用意されています。
ショートキャブの場合、座席後部に就寝用のスペースがあり、5つのキャビンの中でも最も幅が狭く小さいキャビンです。
ショートキャブのメリット・デメリット
ショートキャブのメリットは「積載量の多さ」です。
ショートキャブの場合、キャビンをコンパクトにすることで荷台スペースが大きくなります。
荷台スペースが大きくなる分、より多くの荷物が積載できることにも繋がるでしょう。
デメリットとしては、車内が狭く、キャビンスペースがないため、十分な休憩が取れない点です。
ショートキャブは、長距離運転手に適していないキャビンとも言えます。
ハイルーフキャブ
ハイルーフキャブは、キャビン内の天井が高い構造のトラックです。
ハイルーフキャブを略して「ハイキャブ」と呼ばれることもあります。
天井が高い構造であるため、就寝用のスペースとしても活用可能です。
ハイルーフキャブを街中で見かけることは多くありませんが、主に中型から大型トラックに採用されています。
ハイルーフキャブのメリット・デメリット
ハイルーフキャブのメリットは、荷台スペースをコンパクトにすることなく、長距離運転が可能な点です。
デメリットとしては、他のキャビンと比較して車両価格が高くなりやすい点が挙げられます。
フルキャブ
フルキャブは、ショートキャブには採用していない、座席後部に就寝用のスペースを備えたキャビンです。
就寝用のスペースが用意されている分、側面からトラックを見たときにショートキャブよりも全長が長くなる特徴があります。
中型トラックや大型トラックなど、主に「中距離以上走行する機会が多い方」がフルキャブを採用している傾向が高いです。
フルキャブのメリット・デメリット
フルキャブのメリットは「車内スペースの利便性の良さ」です。
座席がリクライニングでき、就寝用のスペースを活用して体を休められます。
デメリットとしては、ショートキャブと比較して荷台スペースが狭くなり、積載できる荷物の量が減少してしまう点です。
ワイドキャブ
ワイドキャブは、ショートキャブよりも20cmほど車幅が広い特徴があります。
キャビンの車幅が広いため、車内に圧迫感がなく、運転しやすい魅力もあります。
ワイドキャブは、小型トラックから大型トラックまで幅広く用意されています。
ワイドキャブのメリット・デメリット
ワイドキャブのメリットは、荷台が大きく積載量を増やせる点です。
荷物を多く乗せる仕事ほど、ワイドキャブの恩恵を受けやすいでしょう。
一方、デメリットは「小回りが効きにくい」ことが挙げられます。
そのため、狭い道や通行が困難な場所で運転する際には注意が必要です。
ダブルキャブ
ダブルキャブは前席と後席の2列構造で、最大5人まで乗車できる特徴があります。
前席だけでなく後部座席があるため、ドアが4枚あり、側面からトラックを確認した際にも車幅が広いです。
ダブルキャブは、小型トラックに多く採用されているキャビンであり、主に建設現場や道路の工事現場などで見かける機会が多いでしょう。
ダブルキャブのメリット・デメリット
ダブルキャブのメリットは「乗車人数が多い」ことです。
ダブルキャブには前席と後席があり、最大5人まで乗車できるメリットがあります。
デメリットは、荷台スペースが狭く、積載できる荷物の量が少ない点です。
トラックキャビンの持ち上げ方法は2つ
トラックのキャビンの持ち上げ方は2つあります。
・手動でチルトする方法
・電動でチルトする方法
トラックのキャビンはエンジンを確認するために、前方に持ち上げられる仕組みです。
持ち上げることを「チルト」と呼んでおり、持ち上げ方は「手動」と「電動」の2種類があります。
キャビンによって前部分のカバー(フロントリッド)を開かないと、キャビンが持ち上がらない車両も中にはあります。
手動でチルトする方法
まずエンジンを停止している状態で、以下の内容を確認しましょう。
・車内のシートに物が置いていない?
・カップホルダーに飲み物はないのか?
・天井との空間に十分な余裕があるか?
上記確認項目をチェックした後は、助手席側にあるチルトレバーを「上に持ち上げる」または「下に下げる」のどちらかを行います。
次にチルトレバーの横にある持ち手(グリップ)を持ち、キャビンを持ち上げます。
キャビンを限界位置まで持ち上げると、折り畳み式の棒が目視で確認できるため、棒が折れないようにロックします。
最後に正しくロックされているのかを確認して作業終了です。
電動でチルトする方法
まずは手動チルトのようにエンジンが停止しているのかを確認します。
次に以下の内容を確認しましょう。
・車内のシートに物が置いていない?
・カップホルダーに飲み物はないのか?
・天井との空間に十分な余裕があるか?
トラックのフロントグリルを開くと、チルト用レバーが確認できるため、レバーを持ち上げる動作を行います。
次に助手席のステップ部分にあるレバーを操作して、レバーを動かします。
最後にキャビンの後ろに位置するスイッチレバーを「ON」にすると、ブザー音が鳴るため、助手席下にあるスイッチを押しましょう。
キャブチルトが電動で開くと作業完了です。
【整備士が解説】キャビンの載せ替え交換費用と交換可能業者
キャビンの載せ替え交換費用と、交換できる業者を元整備士の経験を元に解説します。
キャビンの載せ替え交換費用は「キャビンの部品代+作業工賃」を含めて、おおよそ「25万円〜40万円」の金額が必要です。
なるべく修理費用を抑えたい方は「中古部品を活用した修理」がおすすめです。
中古部品での修理費用としては、おおよそ「10万円〜30万円」ほど必要になります。
キャビンの載せ替え交換作業は、全ての業者が実施できる作業ではありません。
修理費用も大切ですが、キャビンの修理対応が可能な業者選びも重要なポイントになります。
トラックのキャビンを修理できる業者
トラックのキャビンを修理・交換できる業者は以下3つです。
・ディーラー
・整備工場
・トラック専門店
ディーラー
トラックを購入したディーラーでキャビンの交換・修理を行うのも1つの方法です。
数多くあるディーラーの中でも「自社工場を併設しているディーラー」の場合には、他のディーラーや整備工場よりもお手頃の金額でキャビンを交換・修理できます。
自社工場を持たないディーラーの場合、キャビンの修理を下請け業者に代行するため、余計な費用が発生して結果的に金額が高くなるでしょう。
ディーラーにキャビンの修理を依頼する場合、まずは「自社工場の有無」を電話にて確認して作業を依頼しましょう。
ディーラー同士でも修理費用や作業工賃が異なります。
もし時間がある場合には、複数のディーラーで相見積を取り、金額を比較してみることをおすすめします。
整備工場
キャビンの交換作業に対応している修理工場も中にはあります。
整備工場でキャビンを交換及び修理できる業者がお近くにあれば、すぐに修理対応してもらえる可能性もあります。
ただし、整備工場によって修理・交換費用に大きな違いがあります。
もし整備工場を選ぶ場合には、評判が良く、良心的な対応をしてくれる業者を選びましょう。
知人に腕の良い整備スタッフがいる整備工場を紹介してもらうことも、1つの方法です。
実績が多く、安心して任せられる整備工場ほど、万が一トラックが故障した場合にも自分の中で「頼りになる存在」になります。
トラック専門店
トラック専門店でもキャビンの交換・修理対応は可能です。
トラック専門店の中には、車両の販売以外にもキャビンの修理や交換に対応している業者があります。
新車ではなく中古車として購入したトラックでも、修理可能なトラック専門店であれば、利便性はさらに高くなります。
中古部品を活用した修理であれば、修理費用をかなり抑えられます。
もし、修理部品を自分で準備できる場合には、必要部品を用意して修理を依頼してみましょう。
まとめ
キャビンの特徴と種類を理解することで、自分の使用目的に合わせた最適なトラックを選択できます。
キャビンは運送ドライバーにとって、食事や休憩、睡眠を行う大切な空間です。
キャビンの室内スペースや使いやすさによって、購入後のトラック内での利便性が異なります。
もしキャビンの載せ替え交換や修理が必要な場合には「キャビン交換が可能な業者」を選びましょう。
キャビンの載せ替え交換作業は全ての業者が行えるものではありません。
修理可能な業者も決まっており、業者ごとに修理費用も異なります。
最もおすすめする修理業者は「自社工場を持つディーラー」です。
ディーラーであれば、万が一の際の修理でも、腕が良い整備スタッフが修理対応してもらえるため、作業にも安心感が生まれます。
自社工場を持ち合わせている場合には、修理費用が安く抑えられる可能性も高いです。
キャビンの特徴や種類、載せ替え交換費用を理解し、是非自分に合う最適なキャビンを搭載している車両を購入しましょう。