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【ディーゼル】DPFの再生方法を解説!DPF・DPR・DPDの違いも!

目次

2003年に国が表だって始めた「自動車排出ガス規制」によりDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の設置が義務づけられました。

今回はこの「DPF」について考察していきます。

DPFって何?

DPF再生方法解説記事 DPF画像 DPF再生方法解説記事 DPF構造イメージ画像

DPF:ディーゼル・パティキュレート・フィルター:ディーゼル微粒子捕集フィルター

DPFとは、一言でいうと「煤(スス)を排出しないようにする装置」です!

ディーゼル車から排出される特有の有害物質を削減してくれます。

ディーゼルエンジンが稼働中は、常に燃焼が繰り返されています。

その燃焼で発生した煤(スス)を外気に排出しないためのフィルターの役割をしています。

地球温暖化防止、人体や植物等への悪影響を減らすことに繋がります。

DPFはDPFDPRDPDと3つの呼ばれ方をします。

この3つの違いは何なのでしょうか?

DPFマフラー

マツダ:ボンゴ/タイタン 日産:バネット 三菱:デリカ で使用されているDPFマフラー

(Diesel Particulate Filter)の略称で、日本語に訳すとディーゼル微粒子捕集フィルターです。

ディーゼル自動車から排気される粒子物質(PM)を捕集し、大気中に排出しないようにする後処理技術です。

しかし、排気ガスがフィルターを通り抜ける際に粒子物質(PM)が捕集されるため、何年も蓄積されると機能が低下します。

DPRマフラー

日野:デュトロ トヨタ:ダイナ・トヨエース で使用されているDPFマフラー

(Diesel Particulate Active Reduction System)の略称で、日本語に約すと排出ガス浄化装置です。

DPFの分岐のようなもので、フィルターで粒子物質を捕まえてくれるのはもちろんですが、この作業を繰り返すとフィルターが目詰まりを起こしてしまいます。

目詰まりを起こすと機能が低下するため、内部で燃焼し、再生してくれる機能を付与しています。

DPDマフラー

いすゞ:エルフ 日産:アトラス マツダ:タイタン で使用されているDPFマフラー

(Diesel Particulate Defuser)の略称で、日本語に訳すとPM微粒子除去装置です。

排気ガスに含まれるPM(粒子物質)を浄化してくれる装置です。

一定以上のPMが蓄積すると自動的に燃焼(再生)作業を行います。

これと同時に、DPDランプが点灯します。

↑日野デュトロDPRマフラー 取り外し後の写真↑

DPF・DPR・DPDの違い

これら3つの違いを説明させていただきます。

ずばり、これは各メーカーの呼び方の違いなんです。

この装置の役割は3つとも完全に一緒です!

・DPF ⇒ 三菱ふそう、日産、マツダ

・DPR ⇒ トヨタ、日野

・DPD ⇒ いすゞ

この6社がこの名称の代表といえるでしょう。

DPF装置って故障するの?

これらは半永久的に稼動できる装置とされてきましたが、実は故障するんです!

DPF等が普及し、時が経つにつれて脆さが露呈してきているのも事実なんです。

DPF内で燃焼しきれなかった炭化物がフィルター内部に堆積し、エンジントラブルをおこしています。

燃焼しきれなかった炭化物が内部に堆積することで、フィルターとしての機能が低下し、ランプが点灯もしくは点滅します。

もし故障した場合は直せるの?

内部で炭化物が凝固し、機能自体が故障してしまった場合は交換になります。

交換になると、費用は約25万~100万程度

価格に開きがありますが、商品によってまちまちです。

整備工場やディーラーなどにお願いすれば交換可能となっています。

しかし、完全に詰まる前なら洗浄が可能です。

目安としては、走行距離約10万キロ前後となっています。

15万キロを超える場合はすぐに洗浄が必要となるケースが多いです。

そのため、洗浄で故障を予防できるわけです。

次は故障予防について説明していきますが、まずはDPFの仕組みから見ていきましょう。

DPFの仕組み

DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)は、軽油の燃えカス(PM)から出た微粒子の物質をフィルターで捕集する目的で作られたものです。

簡単にいうとDPFと呼ばれる特殊なフィルターで、軽油の燃えカス(PM)をキャッチして再燃焼し、キレイな排気ガスを出しますよ!という装置になります。

DPF再生の仕組みと流れ

①インジェクターから軽油を噴射する

②エンジンで軽油を燃やして車輌を動かす

③軽油を燃やした際に出る有害物質(PM)をDPFで捕まえる

④捕まえたPMを燃やす

⑤クリーンな空気を排出する

あまり知られていませんが、インジェクターは一度の燃焼する行程の中で、軽油を5段階に分けて噴射します。

パイロット噴射 ⇒ プレ噴射 ⇒ メイン噴射 ⇒ アフター噴射 ⇒ ポスト噴射

この5番目の噴射(ポスト噴射)で排気管に送り、DOC(酸化触媒)に燃料を導きます。

酸化触媒には、酸化触媒を通過する事で酸化反応させ、DPF内の燃焼温度を効率よく上昇させる役目があります。

上記の行程を経てDPFの温度は概ね600℃まで上昇し、DPF内の煤(スス)を燃焼する仕組みです。

DPFには3種類の再生方法があります

・自動再生

コンピュータが自動で燃焼する再生方法。

車輌の走行中に、DPF内に一定の量の煤(スス)が溜まる事で自動燃焼を開始してくれます。

一般的には走行中にエンジンの回転数が上がり、水温が300℃近くまで上がったところでDPFの再生を行う機能です。

自動再生中にエンジンを切ってしまうと、燃焼が出来ずにDPFの詰まりを引き起こす場合があります。

・手動再生

ユーザー側が意図的におこなう再生方法。

手動再生とは一旦車両を止め、高回転のアイドリングを行う。

インジケータランプ・DPF再生ボタンを押すことで、手動再生が開始します。

インジケータランプが点滅している場合は、必ず手動再生をおこなってください。(マツダを除く)

万が一、手動再生を中断した場合は、出来るだけ早く手動再生をおこなってください。

手動再生を無視した場合は、インジケータランプが点灯・エンジンチェックランプが点灯し、エンジン制御がかかります。(速度が40~50kmに制限されます)

こうなってしまうと、ユーザー側ではお手上げです。

ディーラーか整備工場で修理をしてもらいましょう。

各メーカー毎に詳しく解説しています 詳しくはコチラ>>

・強制再生

ディーラー、特定の整備工場しか出来ない最終手段。

※画像は強制再生中の画面

ディーラーまたは、特定の整備工場で専用のテスター等を用いて行う。

DPFの内部を強制的に約600℃近くまで上昇させ、DPF内に残ったPM(粒子状物質)を再燃焼する方法です。

※複数回の強制再生にはご注意ください!

強制再生を複数回繰り返してしまうとDPFに負荷が掛かり、DPF内にある触媒が溶損する場合があります。

※画像は強制再生を繰り返したDPF

強制再生後、1週間~3週間内で再びチェックランプ・インジケータランプが点灯する場合は、触媒の交換・洗浄が必要になります。

なぜ再生間隔が短くなるのか

何度も何度も自動再生と手動再生・強制再生を繰り返しているのに、なぜDPFは詰まるのでしょうか。

その答えは明確で、アッシュは燃焼出来ないからです。

※画像はフィルター内部から出てくるアッシュ

上述した通り、自動再生と手動再生・強制再生を行なうと煤(スス)の燃焼再生は可能ですが、エンジンオイルの燃えカス(アッシュ)は燃えずにDPF内部に残り続ける事がわかりました。

車種ごとに堆積しているアッシュをまとめてみました 詳しくはコチラ⇒

走行距離に比例して、DPF内にアッシュが堆積していきます。

このアッシュがDPFの内部に堆積していき、燃焼するためのスペースを奪っていきます。

焼却炉の中に燃え残った灰がたくさんあるイメージが分かりやすいかもしれません。

焼却できるスペースが無い=スペースを作る 必要があります。

しかし、この作業は特殊な技術・施工が必要なため積極的にはおこなわれていません。

これが DPFドットコムで実施させていただいている、アッシュを取り除くためのDPFマフラー洗浄サービスです。

なぜ故障してしまうの?

今やディーゼルエンジンには必要不可欠なDPFですが、使い続けると故障することもあります。

走り方にもよりますが寿命は3年~5年、8~10万㎞と言われています。

長い距離を走る車両に比べて、短い距離を走ったり止まったりする車両のほうが負担はかかりやすいです。

ではどのような要因で壊れてしまうのでしょうか?

不完全燃焼

エンジンは燃焼することで動力を確保していますが、その燃焼温度によって煤(スス)の発生量が変わってきます。

燃焼温度が低いと完全燃焼できず、不完全燃焼してしまい、その結果煤(スス)の量は増え、詰まりの原因になってしまいます

特に、短い距離を走ったり止まったりを繰り返していると、燃焼温度が高まる前に止まってしまうので不完全燃焼を起こしやすくなります。

アッシュの詰まり

エンジン内ではエンジンオイルで動きを滑らかにしたりサビを防いだりしていますが、このオイルが排気と一緒に流れてくると詰まりの原因になることがあります

オイル漏れなどには十分注意したいですね。

DPFの溶損

フィルターに詰まった煤(スス)やオイルが異常燃焼することで、DPF自体が溶けて壊れてしまうことがあります

上記の不完全燃焼やアッシュの詰まりが溶損の原因になってしまいます。

溶けてしまうと、排気の濾過力が大幅に低下してしまうので絶対に避けたい故障です。

ほとんどの場合は洗浄で修復可能ですが、溶損してしまうと交換しないといけないので要注意です。

DPFの交換費用

DPFやDPRが詰まり、修理完了や交換になった場合のコスト

車両が動かないほど詰まってしまった場合は、大半が以下の料金が掛かります。

普通乗用車   : 約20万円(部品代) + 工賃

2tトラック車 : 約40万円(部品代) + 工賃

4tトラック車 : 約60万円(部品代) + 工賃

10tトラック車  : 約100万円(部品代) + 工賃

しかし、これだけではなく作業を完了するまでの3営業日ほどは休車をよぎなくされる。

この損失コストは、法人や個人に限らず致命的であると判断できます。

まとめ

ディーゼルエンジンには必要不可欠となったDPF。

どういう働きでなぜ壊れるのか、どうすれば故障予防に繋がるのか理解できましたか?

愛車を長く元気に乗り続けるためにもメンテナンスは大切です!

故障してしまう前に。

愛車に乗れなくなってしまう前に。

日々のメンテナンスは欠かさず行いましょう!

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