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オルタネーターとは?値段や寿命はどのくらい?故障原因からオーバーホール費用も!
目次
オルタネーターは車の動かす動力源でもあり、走行に関係する重要な部品です。
しかし、実際にオルタネーターの仕組みや役割について、理解していない方も少なくありません。
そこで、この記事では元整備士が「オルタネーター」の基本的な仕組みから、寿命、故障の原因、オーバーホール費用などについて徹底解説します。
オルタネーターについての知見を深めたい方は、是非参考にしてみてください。
車の「心臓部」と呼ばれるオルタネーター
オルタネーターを一言で説明すると「発電機」のことを意味します。
車を動かす際には、ガソリンやハイオクなどの燃料以外にも「電力」が必要になります。
また、走行中も同様にスピードメーターやその他の計測器を表示させるために、電力供給は欠かせません。
オルタネーターは、エンジンの駆動力を活用して交流電流を生み出すことで、直流電流へと変換し、バッテリーへの電力供給を行い充電します。
そのため、オルタネーターは車を駆動するために重要な部品でもあり、まさに「車の心臓部」と言っても過言ではありません。
オルタネーターに不具合や故障が発生すると、車自体が動かなくなる可能性も考えられます。
車を走行させる点以外にもヘッドライトや車内灯、エアコン、カーオーディオ、カーナビなどにもオルタネーターが作り出した電力が利用されています。
オルタネーターの仕組みとは?
オルタネーターは「発動機」と「整流器」の2つの構造で、仕組み化されています。
まず発動機の部分では、主にエンジン駆動により電力を生み出しています。
発電機で作り出された電力は、車を駆動させる動力源や車内灯、カーオーディオを点灯させる電力にも活用されています。
一方「整流器」では、直流電流を交流電流に変換してバッテリー供給を行っています。
2つの構造はモーターのような作りになっており、ファンベルトなどを介してエンジン駆動がオルタネーターに伝わると、コイルの中心にある電磁石が回転して電力を作り出す仕組みです。
両者の構造はオルタネーターには欠かせない部分とも言えるでしょう。
オルタネーターの寿命はどのくらいなの?
オルタネーターの寿命は部品によって年数が異なりますが、おおよそ「走行距離が10万km以上になったタイミング」とされています。
しかし、最近のオルタネーターは性能が良いので、部品によっては20万km以上の走行距離の場合でも、交換せずに利用できる可能性があります。
オルタネーターの寿命を少しでも長くするためにも、定期的な点検は欠かせません。
また、走行距離とは別に「オルタネーターブラシの摩耗具合」を寿命の目安時期にするのも良いでしょう。
オルタネーターブラシは、オルタネーターが作動するほど部品の接触回数が増加します。
接触回数が増加するほど、ブラシ部分が摩耗する関係で、正常に電力が伝わらず「エンジンがかからない」もしくは「エンジンのかかり具合が不安定になる」などの現象が発生する可能性が高まるでしょう。
オルタネーターブラシが摩耗して完全にすり減ってしまうと、エンジンがかかりません。
また、中途半端にブラシ部分がすり減っている状態の場合でも、同じく「エンジンが突然切れる」もしくは「不安定な状態」が続いてしまいます。
オルタネーターが故障するとどうなる?
オルタネーターは、車の走行に大きく影響を与える部品です。
結論から説明すると、オルタネーターが故障してもしばらくの間だけであれば、バッテリーの電力を利用して車を動かすことは可能です。
しかし、故障した時点において、オルタネーターからの直接電力供給がある電装部品は動かなくなってしまいます。
結果的にバッテリーの電力がなくなるとエンジンが止まり、再始動できない状態になります。
車が動かなくなれば、レッカーなどを利用して車を修理工場に搬送するしか方法はないでしょう。
場合によっては、オルタネーターの故障によって道路上で走行不能の状態になり、大きな事故に繋がる可能性も考えられます。
もしオルタネーターの故障や違和感を感じた場合には、なるべく早いタイミングで修理工場に車の診断を依頼することをおすすめします。
オルタネーターの故障に多い4つの原因と修理方法
オルタネーターに多い故障原因について解説します。
故障原因1:異音がする
故障原因2:警告灯が点灯する
故障原因3:電気機器の異常・停止
故障原因4:エンジンの出力不調
オルタネーターに多い故障原因の他にも、各故障原因の対処方法について整備士目線から紹介していきます。
是非参考にしてみてください。
故障原因1:異音が発生する
オルタネーターの故障原因には「異音が発生する」という症状が多い傾向があります。
普段聞きなれない音が車から発生している場合には、オルタネーターの故障を疑う方も中にはいるでしょう。
オルタネーターから異音が発生する原因としては、部品の劣化や部品が外れかけているなどの取付不備が考えられます。
ただし、オルタネーターから異音が発生する場合には、オルタネーター以外の部品が原因で発生する可能性も少なくありません。
具体的な異音の症状としては、「キュルキュル」という異音であればゴムベルトの劣化を疑い、「カラカラ」という異音であれば、プーリーという回転部分の異常が考えられます。
また「ウィーン」という機械音がもし発生する場合には、ベアリングの故障を疑う必要があるでしょう。
【整備士が解説】異音が発生した場合の対処方法とは?
車から普段聞きなれない異音が発生している場合には、すぐにでも修理工場やディーラーに車を診断してもらうことをおすすめします。
車の異音は症状を放置して走行すると、場合によっては走行不能の状態になりかねません。
また、早いタイミングで車の診断を行い、症状を改善すれば少ない修理費で済む所を、症状を放置にしたことで余計な修理費が必要になる可能性も少なくありません。
異音が発生する場合には「車に何らかの不具合が発生するサイン」でもあります。
症状を放置するのではなく、改善するための行動に繋げましょう。
修理工場によって車の診断料が必要になる可能性はありますが、車の修理費用を抑えるための必要経費として考えると気持ちを切り替えられます。
故障原因2:警告灯が点灯する
警告灯が点灯する場合にもオルタネーターの故障が考えられるケースが多いです。
車によって症状は異なりますが、ほとんどのケースではバッテリーの警告灯が点灯します。
バッテリーの警告灯が点灯した場合、バッテリー本体に異常がある可能性が高いでしょう。
しかし、エンジンをかけた後にもバッテリー警告灯が点灯する場合には、オルタネーターの故障や不具合を疑う必要があります。
【整備士が解説】警告灯が点灯した場合の対処方法とは?
万が一、警告灯が表示された場合にも「車の診断」を早いタイミングで依頼しましょう。
警告灯の表示も車の不具合を知らせるサインの1つです。
車に詳しい方や整備士の方であれば、対策方法がすぐに思いつくかもしれませんが、車の知見がない方は、すぐにでも自動車整備士に自分の車を見てもらう方法がベストです。
初期症状であれば、修理費用も高額にならない可能性が高いです。
そのため、警告灯の表示を放置するのではなく、オルタネーターやその他の部品の故障や不具合を診断するためにも、まずは修理工場に車を診断してもらいましょう。
故障原因3:電気機器の異常・停止
オルタネーターに故障や不具合が発生すると、エアコンやカーオーディオ、カーナビなどの異常が出る可能性が考えられます。
また、場合によっては車の電装部品以外にも、ヘッドライトや室内灯などがチラつく、もしくは点灯しなくなるなどの症状の発生も考えられるでしょう。
オルタネーターは、電装部品への電力供給のための電気を出している重要な部品です。
そのため、オルタネーターに異常や不具合が発生すると、カーナビなどの電装部品に直接影響を与えてしまいます。
【整備士が解説】電気機器の異常・停止した場合の対処方法とは?
電気機器に異常が発生した場合には、バッテリーの診断をしてみましょう。
バッテリーの診断には「バッテリ&オルタネーターチェッカー」を使用します。
バッテリー&オルタネーターチェッカーは、バッテリーとオルタネーターに流れる電力を測定する機器のことです。
ホームセンターやカー用品店に足を運べば、約2,000円〜3,000円ほどのお手頃の金額で購入できる商品です。
使い方としては、バッテリーの端子部分にチェッカーのケーブルを繋ぎ、ランプが点灯するかを確認します。
診断を自分で行う場合、赤ケーブルをプラス端子に繋ぎ、黒ケーブルをマイナス端子に繋ぎます。
ランプの点灯数によって充電量が把握できるため、もし3つ点灯する内の途中までしかランプがつかない場合には、充電量が不十分と判断できます。
まずは「オルタネーターの故障の初期診断」として対策してみることをおすすめします。
カーバッテリーの基礎→https://www.furukawadenchi.co.jp/products/car/chishiki/01.htm
故障原因4:エンジンの出力不調
オルタネーターの故障原因の1つに「エンジンの出力不調」も考えられます。
エンジンのコントロールにも電力が使用されています。
そのため、オルタネーターに故障が発生すると「エンジンがかかりにくい」などの症状が発生するでしょう。
エンジンのかかり具合が悪い状態を放置すると、最悪の場合には車が走行できなくなる可能性も考える必要があります。
【整備士が解説】エンジン出力不調が発生した場合の対処方法とは?
エンジン主力不調が発生した場合には、2つの対処方法があります。
対処方法1:エンジンがかかる場合
対処方法2:エンジンがかからない場合
まず「エンジンがかかる場合」には、早いタイミングで修理工場に車を預けて診断してもらいましょう。
エンジンがかかりにくい状態で車を使用してしまうと、最悪の場合に車が動かなくなるタイミングが必ず発生します。
車が動かなくなると時間ばかり取られてしまうため、症状を改善するためにも、すぐに診断してもらえる修理工場やディーラーなどに作業を依頼することをおすすめします。
次に「エンジンがかからない場合」には、レッカー搬送を利用して車をお近くの修理工場、もしくは普段からお付き合いのある整備工場に搬送する必要があります。
車が走行不能な場合、どれだけ自分の力で車を動かそうとしても無駄な場合が多いです。
そのため、すぐにでもレッカー搬送の手配をとり、車を修理工場に搬送しましょう。
レッカーサービスは、自分が加入している自動車保険の付帯サービスで賄えます。
走行距離制限については保険会社によって異なるため、もし現在加入している自動車保険のレッカーサービスを利用する場合には「走行制限」のことを確認しておきましょう。
オルタネーターをオーバーホールした場合の修理費用
オルタネーターのオーバーホールを依頼する場合には「部品代+費用」が必要になります。
修理費用としては、部品代と作業工賃を合わせて「5万円〜10万円」程度の費用です。
オルタネーターは中古部品でも問題なく使用できることが多いため、インターネット上で購入したリビルト品でも十分に補えます。
そのため、オルタネーターへの新品購入であれば修理費用が高額になりますが、中古品やリビルト品であれば、部品代をより抑えることができるでしょう。
中古品やリビルト品の部品代は、おおよそ1万円〜5万円前後です。
新品の場合には5万円以上のお金が必要になる可能性が高いため、部品代節約のためにもリビルト品や中古品の活用は良いでしょう。
オルタネーターとダイナモの違いとは?
オルタネーターと似たような仕組みをする「ダイナモ」という部品があります。
オルタネーターとダイナモの違いを簡単に説明すると「バッテリーの供給ができるかできないのか」が挙げられます。
オルタネーターの場合、バッテリーへの電力供給が可能です。
一方、ダイナモではバッテリーへの電力供給ができない部品になっています。
昭和中期までダイナモが主流で車に使用されていましたが、現在ではダイナモよりも簡単な構造かつ、高性能のオルタネーターが使用されるケースがほとんどになりました。
まとめ
オルタネーターは車の走行に影響を与える部品であり、車になくてはならない部品でもあります。
もし、オルタネーターに異常や不具合が発生すると「車が走行できなくなる」もしくは「電装機器が使えなくなる」可能性が高くなるでしょう。
オルタネーターに異常や不具合が発生した場合の対策方法と故障原因を把握することで、万が一の場合でも落ち着いて対応することができます。
この記事の内容を参考にして、オルタネーターの不具合時の対応や修理費用を理解してみてください。